アルジャーノンに花束を

娘に誘われてキャラメルボックスの公演「アルジャーノンに花束を」を観てきた。
ダブルキャストでイグニスで見たが、見終わってアクアのほうも見る予約をサッサと娘がしていた。
ユースケ・サンタマリアが主演したドラマもあったそうですが、私は今回初めて見た。
感動したというよりなんだか引っかかるものを感じて原作を読んでみてそれが何かが見えた気がした。

32歳の知的障害を持つ主人公チャーリーは大学教授の申し出で手術を受け6歳の知能しかなかっのが天才に変貌しました。
欲しかったIQ185の知能を手に入れたけど、自分の生い立ちや虐げられた人間関係を理解してショックをうけたり、
感情の未発達と高い知能のアンバランスから徐々に他人を見下すようになったりと苦悩が続きます。
しかしその能力も一時的なもので手術の欠陥でピークに達した知能はどんどん失われてしまうものだったのです。
その失われていく知能、喪失する記憶の経過の中で一緒にいたいという恋人アリスに
「僕は自分の時間を他人とわけあう余裕はないんだ。自分のためにしか残されていないんだ。」と言う。
知的障害者から超天才へ、超天才から元の知的障害へと急激な変化は劇の中だけの事だけど
自分に余裕がない時には人にかまっていられないということが確かにある。

日本の人口、1億人の中で人とめぐり合う確立はどのくらいか?
当たり前のように出会い、別れを繰り返しているけれどもそれは実はとても稀な出会いなのでは。
仕事でたまたま同じ職場になった人。
店にたまたま来たお年寄り。
学校でたまたま隣に座った友人。
ネットでたまたま声を掛けて知り合った友人。
人生の伴侶となった人。
偶然のように出会い、当たり前のように付き合い、時には争い、簡単な理由で別れていく。
それがどれだけ貴重な相手なのかもわからないまま。
その価値を判るのは悲しいかな、ずっと後で冷静になった時だったりする。
自分のことしか考えられない時、人との繋がりを絶っても結局は人間一人では生きてはいけない。
そんなときは新たな付き合いを求めていくのだろうか。

人はたった一人では生きていけないのに
生まれるのも独り、死ぬのも独り。
涅槃への道はたった一人で歩かねばならぬとは何とも寂しい限りです。


深く考えてしまった観劇でありました。



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2012.08.06 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 観劇



コメント

ふむっ・・・

TVドラマで見ましたが、なんか考えさせられるものがありました。本当の幸せってなんだろう??知的障害のままでよかったのか・・はたまた天才がよかったのか・・結局その人に与えられた運命をそのまま受け入れてやっていくことが、一番の幸せじゃないかなと思いました。その中でいかに幸せを感じて生きていくかが大切だと思いました。人間、死ぬまで学びですね。(^_^;)

2012/08/10 (金) 18:16:35 | URL | おばど♪ #- [ 編集 ]

おばどさん。
本当にその通り。
歳を重ねてやっと一期一会の真意を感じますね。
もしかしたら明日はないかもしれない。
今日会った人にはもう2度と会えないかもしれない。
そう思うとないがしろにはできませんね。
偶然の出会いに、人の温かさに感謝の念を抱きます。
人の幸せとは他人からは計り知れないものですが
暖かい人との関係が少なくとも幸福の一助になることは確かのような気がしています。

2012/08/10 (金) 22:30:13 | URL | 花鹿 #- [ 編集 ]

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