朗読者

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「朗読者」 ベルンハルト・シュリンク作


今日読み終わった。
世界で感動を与えたベストセラー。
15歳の主人公、シュミッツ、年齢差のあるハンナとの恋。
ハンナに様々な作品を読んで聞かせる朗読者。
15の時ハンナと恋に落ち、やがて姿を消すハンナ。
再会はナチス時代のおぞましい事件の裁判で。
そしてハンナが終身刑の判決に服している間、彼は結婚して子供ができて離婚して…。
やがて刑務所にいるハンナのために様々な作品を朗読したカセットを送り始める。
恩赦で長い刑を終えたハンナが晴れて出てくる時がくる。

ハンナの心の中は一言も書かれてはいない。
朗読者である彼もいたって冷静であり距離を保とうとする。
しかし彼は15でハンナと恋に落ちて以来その呪縛から解かれることはない。
恋愛しても、結婚して娘ができても、そして離婚後別な女性とやり直そうとしても、そしてその呪縛から自由になろうとハンナとの物語を書こうとしている今も…。

「白夜行」を読んだ時にも感じたが主人公と取り巻く人々の内面を描かれていない。
再会後も会おうと思えば会えるものを手紙のやり取りすら行なわない。
読み手は仕方なく行間を読むしかない。
読み終わっても何度かさかのぼって読み返してみる。
どこにもそのフレーズが書かれてなくても相手を思いやる気持ちが伝わってくる。
その気さえあれば別の道を選べる機会がいくらでもあったのに、何故その道を選ぶのかと思う気持ちと反面、譲れない強い生き方を感じる。
読んでいるといつの間にか文字が霞んでくる。
なかなか重厚な一冊です。






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2006.10.14 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 未分類



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