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旅をする木 オオカミ

「旅をする木」の解説は作家池澤夏樹が書いている。
全てはこの解説に集約されている。

この本で作者が書いたのは結局のところ行く先々で一つの風景の中に立って、あるいは誰かに会って、
いかに良い時間、満ち足りた時間を過ごしたかという報告である。
実際のはなし、この本にはそれ以外のことは書いていない。


確かにそれだけだが、それだけで十分に読者を酔わせる魅力のある文章なのだ。
33篇のエッセイの中、それぞれお気に入りがあるようだが私のお勧めの一つは「オオカミ」。
もっとも短い一編だがすんなり心に染み渡る。
マッキンレー山の南面から流れる氷河の一つ、ルース氷河。
生命の気配もない白一色の世界に自分も一人で立っているような気になる。
そんな孤独の中でオオカミの足跡を発見したら…。
誰とも共有できないその感動。
似たものを感じながら京都を歩いていると読みながら思う。

同じ旅をしたとしても人によってその感じ方は全然違う。
性格も好みも千差万別なのだから違って当たり前。
でも自分に似た感覚を持った人、同じ景色を見て同じように感動できる人にめぐり合えるとうれしいものだ。
現社会からかけ離れたところに身を置くと自分の生活に戻れない気がするのでなかなかそういうところにはいけない。自然と人ごみと赴くほうに自由に行けて悠久の人の歴史も感じられる。
そこで気兼ねなく一人になれて考える自由な時間が持てる。
私にとってそんな京都に出かけることがかけがえのないひと時なのだ。
京都で繋がる友人も貴重な存在。
この作者がアラスカから多大なるギフトを貰ったように私は京都から多くの貴重なものを貰っている。

解説者は
この世界は合理だけではない。目に見えるものだけではない。
ある場所に立ったとして、その風景の背後にあるものまで見なければ、その場所と本当に親しくはなれない。

という。
一人立つ氷河の上でオオカミの足跡を見つけたとき、それを見て何を想像するかで感動の度合いが違う。
極寒の地に餌となる生き物はいない。命の危険を犯してもオオカミが氷河を渡る意味とか覚悟とか。
その姿を想像するだけで鳥肌が立つほど神々しい。

あぁ、私もそんな美しい感動することに出会いたいものだ。






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2013.06.26 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書



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プロフィール

kajika

Author:kajika
吾唯足知 (龍安寺のつくばい)
京都が大好き。
1年に数回出かけています。

京都旅行記から始まったBlog。
遅速ながら結構長く続いているものです。
日々の記録も兼ねて続けたいと思っています。

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